第203章 千億の社長がまさかボートを漕ぎに?

「了解!」

中野蓮は電話を切るなり、興奮した様子で小さなリュックを背負い、飛び出そうとした。

そこへ、ちょうど書類を取りに戻ってきた中野航平と、廊下でばったり正面衝突する。

「どこ行くんだ」

航平が息子の肩を押さえて止めた。

蓮は父親をぎろりと睨みつける。

「パパ、またママを怒らせたの?」

朝の出来事が脳裏をよぎり、航平は重たく頷いた。

「……お前もママに追い出されたのか」

本当は、息子に口添えしてもらうつもりだった。だがこの様子では、望み薄だ。

「違うし! ……ていうか、パパまたママに絡みに行ったの? 前に『ママが会いたくないなら、もうママの前に出ない』って言ったじゃん...

ログインして続きを読む